2020年5月31日日曜日

町の景色


今まさに目の前に見えている、事務所前から見える町の景色。



森の緑、海と空の青、そして住宅やお店。
全てのコントラストが美しい、今の知床ウトロです。

2020年5月30日土曜日

エゾシカの角



普段いかないような森へ散策に赴くとエゾシカの角がいくつも落ちていました。エゾシカは3月下旬から5月上旬にかけて毎年角を落とし、その後また新たに生えはじめ、秋の繁殖期まで成長し続けます。その成長した角を見るとおおよその年齢もわかります。1歳では枝のない1本角で、2歳だと枝が1本、3歳だと枝が2本、4歳以上だと3本の枝がある角になる事が多いです。落ちていた角は4歳以上の立派な角でした。


今の角の様子(写真)は20cmくらいでしょうか。日に1cm以上成長する日もあると言われるくらいで成長が早いように感じますね。写真からでは分かりづらいのですが今時期の角の表面は毛の生えた皮膚に覆われ、その内側には血管があり、栄養を補給して成長していきます。血液が通っているためこの時期の角は触るととても温かいそうです。

メスはちょうど今、出産を迎えている時期ですが、個人的にはオスの角の成長も気になるところなので、エゾシカの角についてのご紹介でした。

2020年5月29日金曜日

すっかり新緑になりました

夕方のプユニ岬近くからの景色です。


今週は曇りや雨が多く、肌寒い日が続きましたが、昼過ぎから晴れ間が広がりました。
ウトロ周辺はすっかり新緑に覆われて、オホーツク海も5月らしく穏やかです。
週末、明日明後日は夏のような暑さになりそうですが、これもまたウトロでは5月でも珍しくありません。



2020年5月18日月曜日

ヒグマの命を奪うことに繋がります。


本当に本当に、道路脇にゴミを捨てる行動はやめて下さい!

写真(5月17日撮影)のヒグマは道路脇にあったペットボトルを舐めたり齧ったり……
見ていて非常に悲しくなる光景でした。

道路脇にゴミを捨てるという行動は、将来的にヒグマを駆除するという事に繋がる可能性があります。
ゴミを捨てている人はそこまで理解しているのでしょうか…
今の知床で起こっている、野生動物と人間との軋轢(問題)を知って下さい。
そして知床へお越しの際は「ゴミを捨てない」という人間として当たり前の行動をお願いします。

2020年5月17日日曜日

雨の楽しみ


ポツポツ、シトシト、サーサー、ジャ―ジャー、と刻々と変わる雨の音の中、森ではパタンッパタンッと大きめな音がします。ヒグマが来たのかと辺りを見回しても気配はありません。見てる傍からまたパタンッパタンッと。

目の前の笹が音を立てていました。

枝から落ちる雫が笹にあたる音でした。

自然の中には様々な音があふれています。ジャッジャッと近くではノビタキも鳴いていました。こうして耳を澄まして聴いてみると、森の音、雨の音、沢の音、時には動物の息遣いまで聞こえてきます。それを表現する方法が日本語はとても豊かですね。実際に外国語と比べてみると日本語のオノマトペはとても多くあります。その理由のひとつは、僕たち日本人が音を左脳(言語脳)で聞くから。つまり音を「声」として聞いているそうです。


普段とは違う森の声を聞けた一日。今日の知床は雨でした。

2020年5月16日土曜日

エゾクロテンの換毛


エゾクロテンの夏毛への換毛が進んでいます。



冬毛の真っ白な姿から、夏毛の黒色が目立つ体色に変わりつつあります。
写真の2頭はそれぞれ別個体で、上の写真の個体は全体的に黒色が多い夏毛に。
下の写真の個体は首回りがまだ白い冬毛が残っています。


警戒心が非常に強く、観察することが難しい動物ですが、昨冬から見かける機会が多くなりました。

ドングリが豊作→野ネズミが増えた→それを捕食する動物が増えた、ということでしょうか。

2020年5月15日金曜日

今日は肌寒い1日

冷たい雨や霧が立ち込める1日。

昨日の午後のことですが、自宅で電話をしながら気配を感じ、窓の外を眺めるとエゾシカの群れに近づいたキタキツネが、その中の1頭に追い回されていました。

図らずも定点で眺めることが増えたので、日中に様々な生き物が家の裏で活動していることを発見した自粛期間でした。



2020年5月14日木曜日

キタキツネの観察


知床では比較的よく見かけるキタキツネですが、普段何をしているのか改めて行動を観察してみました。

水芭蕉付近を通過する。

小さな沢の水を飲む。

なにやら気配を感じて立ち止まる。

 何か見つけて食べる。(何を食べたのか確認出来ず。)

*普段キタキツネはネズミや鳥類、昆虫などを主に食べ、秋には果実や木の実も食べる雑食です。
*道路からのえさやりによる交通事故死や、自然界にない脂質や糖分などの摂取で病気になることがあるため餌付けやゴミの投棄はやめましょう。


立ち去るまでの10分程でしたが、ずっと食べ物を探しているようでした。食べ物を探す力は、野生動物にとって生きる力そのものですね。


2020年5月13日水曜日

海岸線にも

海沿いの岩場に白い花が咲いている草本の株が点在しています。



エゾイヌナズナです。
普段は車で通り過ぎてしまい点在する白い花が咲いていることをなんとなく認識している程度ですが、今年は歩いたり自転車で通りかかってまじまじと眺めることが多く、よくよく観るとかわいらしい花です。

(歩道からはここまでが限界。。)

さて、ウトロ周辺はすっかり新緑の季節になりました。




2020年5月12日火曜日

大花の延齢草

ウトロの市街地周辺の斜面には白い花のニリンソウとともにオオバナノエンレイソウが目立つようになってきています。
なんとなく縁起の良さそうな名前ですが、あまりメジャーではないでしょうか。
でも、北海道大学の校章や十勝の有名なお菓子のお店の包装紙などでご存知の方もいらっしゃるかなと思います。
発芽から花を咲かせるまで10年以上の歳月を要するとのことですので、山菜採りの際も気を使います(笑)。

夏の装いに


キタキツネも長い冬毛から、いわゆるキツネ色の夏毛に換毛しつつあります。



冬の丸い姿から、夏のシャープな姿へ。

このキタキツネは暖かい日差しを浴びながら毛繕いに夢中。

動物たちも季節の変わり目を身をもって感じているのでしょう。

2020年5月11日月曜日

必ず来る幸福


沢沿いに咲くエゾノリュウキンカ。


花言葉は「必ず来る幸福」

このコロナ禍以前よりも明るく元気な知床に!

そう感じさせてくれる春の芽吹きです。

2020年5月10日日曜日

なぜ花は美しいのだろうか


エゾヤマザクラやキタコブシ以外にも見ごろを迎えている花がありました。
これは何の花でしょうか。

新葉と一緒に短枝の先に下向きに垂れ下がっている黄色っぽいのが雄花。



淡いピンクと黄緑の縞模様で、上向きについているのが雌花。


同じ樹木に雄花と雌花が別々につく雌雄同株で、風任せで受粉する花(風媒花)を持つ裸子植物のカラマツです。被子植物の花のように昆虫たちを呼び寄せるための鮮やかさも、花弁や雌しべや雄しべもないけれど、この時期のカラマツの雌花はいわゆる”花”のようで、美しいですね。

なぜ花は美しいのだろうか。なぜカラマツの雌花は上を向くのだろうか。

自然の現象を注意深く見つめることが出来れば、そんな疑問の本当の答えも見えてくるのかもしれませんね。






2020年5月9日土曜日

ヤマザクラ


北海道で一般的な桜は「ヤマザクラ」。
本州で一般的な桜は「ソメイヨシノ」でしょうか。

北海道でソメイヨシノを見ることが出来るのは植林整備された公園や学校が主。
山々で見ることが出来る野生種は「エゾヤマザクラ(オオヤマザクラ)」です。


写真は知床で咲き始めたヤマザクラの写真です。
ソメイヨシノと違いがあるのですが、分かりますか~?




花と同時に葉が芽吹いているのが大きな違いでしょうか。
色もピンク色が強めですね。

北海道では生長期間が5月頃~8月中旬頃と短いので、花と葉を同時に芽吹かせないとあっという間に夏が終わってしまうのです!
ということは、花を楽しむことができる期間も短いということで……

例年ゴールデンウィークの中盤くらいに開花し、ゴールデンウィーク明けにかけて見頃を迎える知床のヤマザクラ。
来年は是非知床へお花見へお越しくださいね~♬

2020年5月8日金曜日

風薫る

今日のウトロは暑からず寒からずの20℃くらい、風薫る清々しい快晴です。
昨日は山は積雪したようですが、随分山肌も見えるようになってきました。



真っ白な山も美しいですが、5~6月の山の景色が好きな方も多いのではないかなと思います。



昨日今日で、自宅周辺でバリバリ音を立てて急降下するオオジシギ(オーストラリアで越冬する渡鳥)の求愛飛行やウグイスやオオルリのさえずりが確認できました。



季節の“イベント”が日々繰り広げられます。

2020年5月7日木曜日

森や山に白い花が目立ち始めました


知床の山々ではコブシ(キタコブシ)の花が目立ち始めました。
先日からの暖気で一気に開花し、大きな白い花が見頃を迎えています。




コブシ(キタコブシ)はモクレンの仲間で、開花しているときに近くを通ると
良い香りが包んでくれることがあります。

山々を季節の香りが包む、森や山が賑やかになる良い時期ですね!

2020年5月5日火曜日

桜が咲きはじめました

今朝はウトロは2℃を下回る気温でしたが、キタコブシの花に続きエゾヤマザクラの花も咲きはじめました。



気温は昨日の朝からは24℃以上、今日の未明からも13℃以上気温が下がりましたが、5月には珍しいことではありません。
それでも山の雪解けは進んでいるようで、増水した川の流れの音が大きく聞こえてきます。
朝から北寄りの風になり海も時化て波の音も大きく聞こえています。



海沿いは肌向いですが、先日ご紹介したミズバショウもすっかり大きくなり、ウトロの市街地の斜面ではニリンソウの白い花が黄色のキバナノアマナに変わって目立ちはじめています。同じ斜面ではやはり白い花のオオバナノエンレイソウも咲きはじめています。
木々の芽吹きも一気に進んできました。



2020年5月4日月曜日

足もとの自然

視点が低い子供の頃は、大人が気づかないような動植物の変化で、季節の移り変わりを感じていたように思います。



ここ最近は近所でゆっくり過ごすことが増えて、あらためて身近な動植物をじっくり観る機会が増えました。


色や形が美しいですよね。


春は大人になってもワクワクします。






2020年5月3日日曜日

終息を祈りつつ


不要不急な外出は控えて、誰と接することもなく、海や山の幸を調達しに行ける環境に感謝しながらも。


自分にとって何が”要”なのか幾人かで考えてみました。結論から言うと、結論は出ませんでした…。

ただその中でも、心を動かされることなどをいくつかあげてみると、人それぞれ違ってかなり個性が出てきます。自分が何にどれだけ心を動かされているのか。それが多ければ多いほど、個性的で自分のことが見えている人なのかもしれないですね。

”大切なことは自分のしたいことを自分で知っていることだよ”と北欧辺りの自由と音楽を愛する孤高の旅人も語っています。

今の状況から受け取れるメッセージが仮にあるのだとしたら、僕らも今一度、必要な変化を、自分自身を、見つめなおすいい機会なのかもしれないですね。

2020年5月2日土曜日

自宅で出来る植物観察

ある植物の開花前の蕾(つぼみ)です。
何の植物でしょうか?
写真を順に追ってご覧ください。



黄色の花が咲きました。



少し離れて見てみましょう。
背景に白色の何かが写っています。


もう分かりますよね?





ミズバショウの花(肉穂花序)のアップ写真でした!



ミズバショウの白い部分は花(花弁)ではありません。
仏炎苞と呼ばれる葉が変形したものです。
サトイモ科の植物に見られる部分で、他の植物では仏炎苞が黒いザゼンソウがあります。



ではなぜ仏炎苞があるのでしょうか?
ミズバショウの受粉を助けてくれる昆虫は何でしょうか?
英語で表記するとskunk cabbage、臭いがきついのか⁉


たくさんの???が出てきます。
では、一つずつ考えてみましょう。


仏炎苞の役割=
昆虫を呼ぶために目立たせている。自身のにおいをアピールするため。
(熱を蓄えているという説もあり、熱で昆虫を寄せている?)

呼ばれる昆虫=
ハエ科の昆虫。雪解け直後に活動する昆虫は主にハエの仲間たち。

独特なにおい=
ハエ科の昆虫を呼ぶため。蜜のように甘いにおいでなくてもよい。


ミズバショウの見方が変わってきましたか?(笑)


植物や動物のなぜ?を考えたり見つけたり、その答えを調べてみると意外な一面や
新しい発見があり、ワクワクドキドキしてきます。
皆さんの身近にある植物だとタンポポをテーマにすると面白いでしょうか。


是非この機会に、なぜ?どうして?を掘り下げて、自宅で植物や動物観察をしてみてください!
外には出れないけども自宅で季節を感じてみましょう!

そして外に出られるようになったらその答えを探しに知床へ遊びに来て下さいね♬


2020年5月1日金曜日

日々刻々

ウトロは昨日、20℃を超える気温になりました。
窓の外を眺めると枝先の緑の存在感がいきなり増してきたように感じられ、色味の少なかった山肌にはキタコブシの白い花が夜空に打ち上げられた花火のように点在し始めていることに気づきます。
午前と午後の森の印象が違って見えるほどまさに日々刻々と季節が進むのを動植物に気づかされる時期になりました。
明日も20℃を超える気温になりそうです。


(ズームすると花が咲いているキタコブシが1本写っています。ちなみに川沿いにはエゾシカもいますので探してみてください。)